| その日、晩飯を食べた後、オレとルミナはまったりとバラエティ番組を見ていた。 たいして面白くも無いが他にする事も無いので仕方ない。 「ナオ〜、暇だぜ〜」 そんな事を言うルミナの声も張りがない。それだけ暇ということだろう。 「オレに言ってもどうしようも無いだろ」 オレは冷めてしまったコーヒーを啜りながら相槌をうつ。 「なんか面白い事しようぜー!」 だから、何にもやる事無かったから面白くも無いテレビ見てんだって……。それにコイツの面白いと思う事って大抵オレが疲れる事ばかりだから勘弁してもらいたい。前のツチノコ狩りなんかが良い例だろう。 ツチノコ狩りといえば、あの時のペンギンはあれ以来見てない。もう二度と来てほしくないな。そういえば大クワガタを大量に捕まえた悠は全部売ったらかなりの金額になったと嬉しそうに言っていた……、いったいいくらになったんだろう? 「ねえねえナオ〜、聞いてる?」 言いながらソファーに座るオレの後ろから首に手を回して体重を後ろにかけてくる。 最近ルミナの中ではオレにぶら下がるのが流行ってるらしい……マジで迷惑な話だ。 「面白い事って例えば?」 「例えばね〜、このフライパンでダディーを炒めるの♪」 「何を可愛らしく残酷な事言ってんだ」 「そしたらきっとダディーは炎を纏って進化すると思うの!」 「不死鳥みたいにか?」 「うん♪ さっそくダディー持って来るね!」 オレから離れて自分の部屋に行こうとするルミナ……、ダディーは朝も弱いが夜も弱いらしい。いつも夜8時には寝てしまう。実に健康的だな。 なんて事を考えつつルミナの服を掴んで止める。 つーか持ってくるってなんだよ……せめて連れてくるって言ってやれよ。 「本気で止めとけ。不死鳥になる前に焼き鳥になっちゃうから」 「大丈夫!」 「その根拠の無い自信はどこからくるんだ……とにかく座りなさい」 言いながらルミナをオレの隣に座らせる。 「もう〜ナオってばぁ、強引なんだから〜」 隣に腰を下ろしたルミナは何故か顔を赤らめる。 …………いったい何なんだ? 「ナオはそんなにアタシとキャッキャウフフしたいの?」 キャッキャウフフってなんだよ……イチャイチャするって事か? だとしたら…… 「なんでオレがお前とそんな事しなきゃいけないんだよ」 「もぉ〜ナオってば〜、もっと自分に正直になろうぜー!」 「じゃあやってみろよ」 オレが言うとルミナは擦り寄ってきた。 とりあえずルミナの頬っぺたを突いてみた。おっ、ぷにぷにしてんな。 しばらくそんな感じで続けてみた。 「楽しいか?」 「…………あんまり」 「だよな」 ということで離れる。 「やっぱりダディーを炒めよう」 「やめろって……」 立ち上がるルミナを止める。 その時だった――突然部屋が真っ白になった。 「な、なんだ!?」 「アタシに聞かれても分からないぜー!」 お互いの姿は見えないけどルミナと話す。 何も見えないし、下手に動く事すら出来ない。もしかして……またルミナ関係の何かか? というか、こんな事ってそうとしか考えられないよな。まさかっ、またあのペンギンか!? 「うにゃ!? 何?」 とりあえず掴んでいたルミナを引き寄せて隣に座らせる。 「うわっ!」 「眩しいぜー!」 真っ白だった部屋の中が一瞬眩しすぎる光で覆われた。そりゃもう目が潰れるかと思ったぐらい……。あまりの眩しさに目を開けてられない。目を閉じているのに真っ白に見えるぐらいの光。 光が弱くなってきたのか真っ白だった視界、目を閉じているから視界とはいえないけど、とにかく普段目を閉じた時の感じに戻ってきた。 目を開ける。 オレとルミナの座っているソファー。その前にあるテーブルの上に小柄な女の子が立っていた。 「ボク、参上っ!」 少女は高らかにそう叫んだ。 「………………」 うん。色々言いたい事はある。 この娘は誰だろうとか、どこから来たのかとかね。 まずは今の状況を説明しよう。 オレの正面にはテーブルに乗っている少女の黒と白のストライプのニーソックスが見えている。そして少女はミニスカートだ。つまりオレが少し目線をあげればソレは自然と見えてしまう。これは非常にまずい。 「と、とりあえずテーブルから降りてくれないかな? その……見えちゃうから」 「え……? きゃあっ!」 オレが言うと少女は慌ててスカートを押さえテーブルから降りた。 「ま、眩しいぜー!」 ルミナはまだ目を瞑っていた。 「もう、目開けていいぞ」 ルミナの肩を叩いて教えてやる。 目を開けたルミナは少女を見つめる。少女はルミナを睨みつけている。 「…………ああ、リルか」 少し考えてから思い出したって感じに手を叩いてルミナが言う。実にわざとらしい仕草だった。絶対すぐに分かってた感じ。 少女はプルプルと震えだした。 「わざとらしいんだよぉ〜!」 リルと呼ばれた少女は叫びながらルミナに掴みかかっていった。 |