| パアン――と、司会のお姉さんが銃を鳴らす。 最後の競技が始まった。 オレとルミナは浜辺近くにある林の中に隠れていた。二人とも腕にバッジのような物をつけている。 このバッジが最後の競技の鍵となるアイテムだった。 周りにルミナ以外の人間が居ないことを確認して、オレはお姉さんが説明した競技内容を思い出す……。 最後の競技……それは……『サバイバルゲーム』だ。 なんか、もう、ホントにカップルとか関係ない。『愛のサバイバルゲーム』って言ってたけど、サバイバルゲームに愛ってなんだ? どんなサバイバルゲームだよ……。 しかも、これで生き残ったチームが優勝……らしい。 今までやってきたことはなんだったのか……。 まぁ、あまり良い成績を残せなかったオレ達にとっては嬉しい事なんだけどさ。 とにかく――このゲームのルールの確認をしておこう。 「ルミナ。ルールは覚えてるか?」 「ん〜? 全然覚えてない、かな」 ルミナもこんな状態だしな。 「じゃ、ルール言うから覚えろよ」 「わかったぜー!」 元気良く返事をするルミナ。 コイツめ……オレ達が今、隠れてるってことを解ってないようだ。 『愛のサバイバルゲーム、ルール』 1、参加チームはバッジをつける 2、バッジは一定以上の衝撃に反応する 3、チームのどちらかのバッジが反応した時点で失格 4、刃物以外ならどんな武器を使っても構わない 5、最後に残っていたチームが優勝 「大まかに説明するとこんな感じだ」 「つまり敵を倒して生き残れば良いってことだねっ!」 「まあ、そうなるかな」 「じゃ、早速倒しに行くぜーっ!」 「待て待て待て――っ!!」 飛び出していこうとするルミナの腕をとって止める。 「なに? 早く行こうよ」 「お前はバカか? どこに行くんだよ……。他のチームも姿が見えないって事はどっかで様子見てるって事だろ。今出て行ったら的にされるぞ」 「なるほど〜! ナオ頭良いね〜! じゃ、行こっか」 「聞いてた!? オレの話っ!」 オレが止めるのも聞かずにルミナは林を出て行った。 仕方なくオレも着いていく。 「ナオ何してんの? 大丈夫だからこっち来なよ〜!」 木に隠れ、辺りを窺っていたオレにルミナが言う。 「お、おう……」 キョロキョロしながらルミナの隣まで移動する。 ……ルミナの言うとおり、確かに襲われる気配は無い。 ルミナの後ろについて歩く。 暫く歩き、立ち止まったルミナに声をかける。 「なあルミナ……なんでこんな所に来たんだ?」 そこは……サスペンスドラマのラストで出てくるような崖だった。 ここで敵に出会ってしまったら逃げ場はない。そりゃそうだ。なんせ犯人ですら逃げられないのだから。 「ん〜……なんとなく?」 振り返って苦笑いのルミナ。 考えなしかよっ!! 「あっはるちんだ!」 オレが頭を抱えていると突然ルミナが叫んだ。 ルミナの見ている方へ視線をやる。 ここから見下ろせる浜辺に悠と店長が居た。 二人は、あの覆面のチームと対峙していた。 「雰囲気からすると……戦うみたいだな」 「どっちが勝つのかな〜?」 「悠達だろ……絶対」 オレとルミナはしゃがんでその様子を見ていた。 悠達が確実に勝つとは思うけど……二人がどんな戦い方をするのか見ておいて損はないよな。 「誰なんだろうね? あの人達」 「さあな〜。何か悠のこと目の敵にしてたみたいだけど」 オレはこのまま気楽に観戦を決め込もうと思っていた。 なかなか思い通りにはならないもので……特にオレの場合は。 「大坪くんじゃないですか〜」 背後から声をかけられた。 最強の存在から……。 「なあルミナ…………何か聞こえたか?」 「聞こえたね」 「よく知ってる声だよな」 「うん」 ふ、振り向きたくない。 振り向いたら戦わなきゃいけなくなる。絶対に戦いたくなかった敵と。 「こんなところに居ると、すぐに見つかっちゃいますよ〜」 む、無視は出来ないみたいだ。 「ルミナ……せぇ〜の、で一緒に振り向くぞ」 「う、うん」 もう振り向くしかない。 オレは大きく息を吸って深呼吸した。 「じゃあ……せぇ〜のっ!」 ――振り返った。 やはり……そこに居たのはリルとさくら。 「さ、さくらじゃないか。ど、どどどうしたんだ?」 オレはいつも通り話かけようとした……どもりまくったけど。 さくらはいつもの笑顔で、 「ふふ、リルちゃんが大坪くん達を見つけたから来たんですよ」 「ご、ごめんなさいナオヤさん」 謝るリル。 「そ、そそそそそうか……オレも二人に会えて良かったよ。じゃ、オレ達は下に用があるから、なっルミナ」 「う、うううん!」 「じゃ、そういうことで――」 早口にそう言って、オレとルミナは二人をよけるように歩き出す。 「どこに行くんですか?」 逃げれなかった――――っ!! 「ど、どこって……下に用が」 「さっきまで悠ちゃん達を観戦しようとしてたじゃないですか〜」 微笑んでいるさくら……いつも通りなのが逆に怖い。 「た、たた戦う気ですか?」 「はい♪」 そ、そんな嬉しそうに言うなよ……。 「ご、ごめんなさいナオヤさん。ボクはルミナと決着をつけなきゃいけないんですっ!」 そう言ってビームサーベルを取り出すリル。 い、良いのか? 確かに『刃物』じゃないけどさ……。 「ルミナァ覚悟ぉ――――っ!!」 「仕方ないなぁ」 叫んでルミナに切りかかるリル。 ルミナも何処からかリルと同じものを取り出しそれを受ける。 「と、いうことで……大坪くんの相手は私ですよ」 もう絶対にこの戦いは避けられないようだ。 |